大会長挨拶
第26回日本透析アクセス医学会学術集会・総会を2022年10月1日(土)~2日(日)の両日にわたり、名古屋国際会議場にて開催させて頂くことになりました。新型コロナ感染症の終息を念じ現地での開催を可能とすべく鋭意努力してまいりますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
日本透析アクセス医学会(JSDA)は設立後四半世紀の間継続して、アクセス作製や修復などの技術の標準化・実技研修会、アクセス管理などの教育などを基に学術集会を開催してきました。そこで今回のテーマを「継承と発展」としました。
1966年に橈骨動脈と橈側皮静脈を手関節付近で外科的に直接吻合した内シャントの作製が世界に発表されてから、実に50年以上にわたり最良のバスキュラーアクセスとされその作製技術が受け継がれてきました。一方で高齢患者や糖尿病合併患者の増加に伴い、超音波診断装置による術前評価などの付帯技術が発展してきたことはご存じの通りです。海外では外科手術ではないカテーテルによる動静脈瘻の作製技術が実用化され、将来的には日本でも使用可能となるかもしれません。バスキュラーアクセスの修復においてはdrug coating balloon や stent graft が登場し、バルーン拡張で終わっていた血管内治療に新しい風を吹き込んでいます。長期留置カテーテルやペリトネアルアクセスでも少しずつ技術革新が進んでおり、様々な知見が集積されてきています。基本的な技術や理念を継承し、その上に新技術や new devices を取り込みながら透析アクセス領域が発展していくにはどうすればよいか、そのようなことを思い描きながら学術集会をとり行えればと考えています。
10月初頭の名古屋はまだ夏の暑さが残っているやもしれませんが、更に熱気ある大会とすべく、改めまして皆様の奮ってのご参加をお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
第26回日本透析アクセス医学会学術集会・総会 大会長
坪井 正人
偕行会安城共立クリニック/偕行会バスキュラーアクセス治療センター